from :: Asahikawa Hokkaido

passer-by198

primetime pencil

2012/07/07


Posted

【シンガポール】実はスピードに欠ける「スローな日本」

source : 2012.07.07 産経ニュース【日本人が知らない日本】 (クリックで引用記事開閉)
 シンガポールという国は、東南アジアにあって経済の優等生で、先進国並みの中進国だ。「アジアのハブ」「世界のショーウインドー」を自認するだけに、各種優遇税制による外国企業の誘致や、世界中の企業を集めての航空ショー、水エキスポといった展示会の開催に余念がない。

だからシンガポールには必然的に、世界中のヒトと情報が集まる。多くの日本企業がシンガポールに拠点を置いているのも、ヒトと情報のネットワークに、付加価値を見いだしているからだ。

一見すると、順調そのもののシンガポールも、ある意味で、常に崖っぷちを歩んでいると思うときがある。ちょっと押されると、よろめいて崖から転落してしまうという危機感と、為政者と企業は隣り合わせなのではないか、と感じるのだ。

どういうことかというと、シンガポールはまだ「開発独裁」の国なので、人々は政府を表だって批判したりはできない。国民の不満は覆い隠されているのだが、それも経済が良好で、豊かな生活を享受できるからこそ、表に噴出してこない。そこを為政者もよく承知しているとみえて、右肩上がりの経済成長を維持しようと必死だ。

何より、資源がまるでないこの国にとっては、アイデアと効率性こそが勝負で、物事を判断、決断し、事を進めるスピードはものすごく早い。1日から4日間にわたり開催された水エキスポに出展した、ある日本企業の関係者は「日本では5年はかかることを、シンガポールは半年で実現してしまう。このスピード感についていくのは大変です」と、話していた。

逆に、シンガポールの政府、企業関係者が口をそろえて言うことは「日本はものすごくスローで、何とかなりませんか? どうしてですか?」。これでは日本の政治も企業も、目の前のチャンスを逃してしまうに違いない。

総じて慎重といえる日本人気質に加え、日本では往々にして、決済を下からトップへ上げ、また下ろすから、時間がかかる。シンガポールの場合は、極端な言い方をすれば、政治は「上意下達」、企業はトップビジネスだ。

シンガポールだけならまだしも、「日本はものすごくスローで、何とかなりませんか? どうしてですか?」という疑問の声は、ミャンマーでもよく聞かれる。「日本企業は調査ばかりしていて、いっこうに決断をしない」と言う。

これには「ミャンマーの現状は、投資をするにしても大きなリスクを伴うので、慎重にリスクヘッジを考慮するのは当然でしょう」と反論しているのだが、それでも痛いところを突かれてしゃくに障る。

「スローな日本」は言われて久しく、「日本人が知らない日本」ではなくて、「日本人が気づいている日本」だろう。それでも依然、スローであるところがまた、日本らしいところだろうか…。しかし、大急ぎで体質を改善しないと、刻々と変化する国際社会のスピードについていけず、致命傷となりかねない。

さあ、今すぐに改善しよう。




0 Comments :

 ■Sponsored Link