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2012/11/19


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海外勢の円売り・日本株買い、日銀政策据え置きでも継続か

source : 2012.11.19 Reuters.co.jp (クリックで引用記事開閉)
海外勢の円売り・日本株買いが続いている。次期首相と目される自民党の安倍晋三総裁が金融緩和について踏み込んだ発言を続けていることを材料に、ポジションを積み上げているという。

19─20日の日銀決定会合では、政策据え置きと予想されているが、今後も政府からの強い金融緩和圧力は続く可能性が大きいとして、巻き戻しがあっても限定的との見方が多い。

色めき立つ海外勢

安倍自民党総裁の金融緩和に関する発言が続いている。共同通信によると、自民党の安倍総裁は17日、熊本市内で講演し、脱デフレ対策に関し「やるべき公共投資をやり、建設国債を日銀に買ってもらうことで強制的にマネーが市場に出ていく」と述べ、政権復帰した場合、建設国債の日銀引き受けを検討する考えを示した。日銀法で禁じられている「引き受け」ができるかはともかく、市場では日銀法の改正にまで踏み込む同総裁の発言を材料にしたトレーディングが幅を利かせている。

「海外勢の円売り・日本株買いが続いている。円売りは特に米系マネーが主導しているようだ」と大手証券トレーダーは話す。米商品先物取引委員会(CFTC)が発表したIMM通貨先物の取組(11月13日までの週)では投機筋は対ドルの円ショートポジションを約1万枚増やし4万枚としたが、マーケットが「安倍首相」を織り込み始めたのは、野田佳彦首相が16日の解散を明言した14日午後からであり、円売りの持ち高はさらに増加しているとみられている。

IMMにおける投機筋のポジションは5万枚が一つのめどとされる。「天井」までそれほど余裕があるわけではないため今週の日銀会合で政策据え置きだった場合は、いったん巻き戻しが入る可能性もある。総選挙はこれからであり、自民党の勝利が確実視されているわけでもないこの時期のポジション構築には「先走りすぎ」(国内証券)との声も出ている。

ただ海外では12月7日の11月米雇用統計まで大きなイベントがない状態だ。米国では「財政の崖」、欧州ではギリシャ問題が佳境を迎えているが、すぐに結論が出ない可能性もある。「日本の政権交代をネタにしたトレーディングはしばらく続きそうだ」と前出のトレーダーはみている。

野村証券・金融市場調査部チーフ為替ストラテジストの池田雄之輔氏は「為替市場ではマクロ系ファンドによる円売りが根強いが、安倍氏の引き受け発言でファンド勢は一段と色めき立っている」と指摘。「日銀政策決定会合が予想通りゼロ回答となり、いったんドル/円に利食い売りが出たとしても、当面、下値余地は限定的とみられ、ドルが80円を割り込む展開にはならないだろう」との見方を示している。

外需株買い・内需株売り

株式市場でも、円安が続く限り、日本株の下値不安は乏しいとの声は多い。為替しか日本株の材料にならないというのは、現在の日本株市場の「薄さ」を示しているともいえるが、少なくとも円安は輸出企業の業績にとってプラス材料になるほか、「円高」を材料に日本株を売っていた海外勢のポジション巻き戻しを促している。輸出株が上昇すれば、輸出株の寄与度の大きい指数である日経平均.N225も上昇しやすい。

「これまでの外需株売り・内需株買いのポジション巻き戻しが目立つ」(大手証券)とされ、キヤノン(7751.T: 株価, ニュース, レポート)、トヨタ自動車(7203.T: 株価, ニュース, レポート)、ファナック(6954.T: 株価, ニュース, レポート)など主力輸出株が軒並み買われる一方、ニトリホールディングス(9843.T: 株価, ニュース, レポート)は年初来安値を更新した。

一方、トヨタアセットマネジメントのチーフストラテジスト、濱崎優氏は、日本株について現時点ではリバウンドの範囲内の動きとしながらも今後は、金融緩和よりも財政出動を政策のポイントとして注目したいと話す。「デフレ下では投資効率が落ちるため、金融緩和で生み出されたマネーを使おうという民間の投資主体が表れない。政府が財政出動を行って需要を作り出すことが重要になる」という。

政局は依然流動的との声も

ただ、あくまで投機筋は方向転換も速いため、警戒感も残る。大手メディアの世論調査では、投票したい政党としていずれも自民党がトップだったが、市場では「望ましい政権の枠組みという点では、必ずしも自民党優位ではなく、状況は引き続き流動的」(大和証券・チーフストラテジストの山本徹氏)との声も多い。

国債先物は小幅安。前週末に前回量的緩和時の2003年6月以来約9年5カ月ぶりの高値まで買い進まれたことから、急激な相場上昇への警戒感が浮上。円安・株高の進行で短期筋による利益確定売りが先行した。しかし、現物市場で目立った売りが観測されず、良好な現物需給を意識し、売り一巡後は下げ渋った。

岡三証券・債券シニアストラテジストの鈴木誠氏は、「安倍総裁はデフレから脱却するためには、円安・株高に誘導し、大胆な政策を打ち出す必要があるとの認識を持っているのだろう」としながらも、建設国債の日銀引き受けになると、さすがに行き過ぎで、その実現性には疑問があるという。「選挙戦で自民党がそれだけ優位に展開ができるか不透明さがある上、政治家がやるべきことは金融政策を緩和させることだけなのかという本質的な疑問もある」と話している。




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